新卒の新入社員の方にとっては、「仕事が辛い」「仕事に行きたくない」「仕事を辞めたいけどどうしたらいいか分からない」などの仕事に関する悩みはつきものだと思います。
今回は、そんな仕事が辛い・辞めたいと感じる新入社員の方に向けた対処法についてご紹介していきます。
仕事が辛いと感じるときはどんなとき?
「仕事が辛い」と感じる原因が分かれば、それに対する対処法を考えることができます。
この章では、筆者自身の体験を踏まえ、新入社員が「仕事が辛い」と感じるときの具体的な場面を4つご紹介します。
①仕事が覚えられないとき
新入社員として入社した後は、たくさんの仕事を覚えることから始まります。
業務フローや書類の提出・処理方法など業務に関するものから、電話の取次ぎ方やビジネスメールの書き方・来客対応など、社会人としてのマナーに至るまで、たくさんのことを覚えなければなりません。
覚えることが多すぎて心が折れてしまったり、覚えなければならないことがなかなか覚えられずにプレッシャーを感じることは、「仕事が辛い」と感じる原因の1つでしょう。
②職場に馴染めないとき
新入社員として入社後に生じる悩みとして非常に多いのが「職場に馴染めない」「人間関係がうまくいかない」など、職場での人間関係についての悩みです。
すでに出来上がっている組織のなかに新人として入っていくわけですから、はじめのうちは馴染めないのが当然でしょう。
ですが、入社後何ヶ月も経ったのになかなか職場に馴染めないと感じたり、苦手な先輩や上司などがいる場合には、「仕事が辛い」と感じてしまうことがあるようです。
職場に馴染めず、相談できる相手を見つけられないと、仕事で失敗したときや仕事の悩みを抱えているときにも一人で悩みを抱え込むことになってしまうため、苦しい思いをしてしまうことになります。
また、職場に馴染めず先輩や上司との関係が築けていないと、分からないことに出会ったときに気軽に聞ける人がいないため、自分の判断で業務を進めてしまった結果ミスをしてしまう、ということも多いようです。
③仕事で失敗したとき
入社したてのころは、覚える仕事量が多い上に業務に慣れていないため、失敗してしまう場面がたくさんあります。
また新入社員の立場では、ミスしたあとのカバーも自分でできないため、先輩に修正やカバーを依頼することになります。
新入社員に失敗はつきものですが、失敗が続くとなると、先輩や上司から「ちゃんと確認はしたのか」「そろそろ自分でできるようになれ」など厳しい言葉で叱られることもあるでしょう。
このように周囲に迷惑をかけてしまったり、ミスが続いて自信がなくなってしまったときに「仕事が辛い」と感じることが多いようです。
④入社前後のギャップが大きいと感じるとき
希望していた部署とはほど遠いような部署に配属されてしまったり、入社前の説明会などで聞いていた魅力的な業務内容と比べて、担当となった仕事が小さくつまらないもののように感じてしまう場合に「思っていたような仕事と違う」「自分に合っていない」などと感じてしまうことがあります。
ジョブローテーション制を採用していたり、部署がいくつもある企業の場合は、自分の希望が通ることは稀です。
また、企業説明会などでは大きな実績や魅力のある事業が取り上げられるため、自身が担当となった業務内容にギャップを感じてしまうことも多いようです。
ですので、ある程度のギャップは覚悟しておいたほうが無難ですが、入社後にこのようなギャップを感じ「仕事が辛い」と感じてしまう新入社員は少なくないようです。
仕事が辛いと感じた時の対処法
上記でご紹介したような場面で「仕事が辛い」と感じた時にはどのように対処したらよいのでしょうか。
この章では、それぞれの場面に対する具体的な対処法をご紹介していきます。
①仕事が覚えられないときの対処法
多くの新入社員の方は、仕事を覚える際に「メモを取ること」はすでに実践されているかと思います。
しかし、実際に「これどうするんだっけ…?」とメモを開いても何がどこに書いてあるのか分からない状態で、結局先輩にもう一度聞く羽目になった、なんて経験はないでしょうか。
メモを取ってもなかなか仕事が覚えられない、メモをどうやって活用したらいいか分からないという風に「メモを取ったあとの活用方法」が分からずに悩んでいる人が多いようです。
ここではこのような人向けに、仕事が覚えられるようになる「効果的なメモのつくり方」をご紹介します。
仕事中に説明を受けながら取ったメモは、殴り書きであったり、項目もバラバラになっている状態がほとんどだと思います。
このようなことにならないためには「取ったメモを、別のメモ帳に整理し直すこと」をお勧めします。
具体的な方法を説明します。
- 殴り書き用のメモ帳と、後で見返す用のメモ帳を2冊用意する
- 覚えることが発生したときは、とりあえず殴り書き用のメモ帳にメモする
- 空いた時間(休憩時間など)に、殴り書き用のメモ帳から見返す用のメモ帳に、項目ごとに整理しながら書き写す
後で見返した自分が、どこに何のメモが書いてあるのかが分かるように整理するのがポイントです。
筆者は、メモ帳にインデックスを貼ったり、写真を撮ったりするなどして、後で見た時の自分が理解できるように工夫していました。
また、メモを整理することは、業務の復習にもなります。
このように、「後で見返したときにどこに必要な情報が書いてあるのかが分かるメモ」を作ることが、仕事を早く覚えられるようになるための対処法の1つです。
②職場に馴染めないときの対処法
職場に馴染めないと感じるときの対処法は、ズバリ「してもらったらお返しをする」ということです。
特に新入社員のころは、先輩に何かを聞きに行ったり、ミスをカバーしてもらったりと、周囲の人に何かをしてもらう機会が非常に多いです。
そのときに、「教えてもらいっぱなし・カバーしてもらいっぱなし」にするのではなく、必ず何かお礼をすることで、先輩や上司といい関係が築けるようになります。
ここでのお礼というのは、贈答品を渡すなど大きなものではなく、お礼の言葉のメモでもいいですし、ちょっとしたコンビニ菓子などでも十分です。
あくまでも相手にも自分にも負担にならない程度のものであることが重要です。
「お世話になったらお返しをする」ことは、人間関係を作り、それを深めていくきっかけになります。
新入社員の立場では、自分からグイグイと先輩に何かをあげたり言葉をかけたりしづらいため、この「してもらったらお返しをする」という方法は非常に効果的であると言えます。
③仕事で失敗したときの対処法
新入社員のころは、仕事で失敗をして落ち込むことが多いと思います。
ここで新入社員の方に大事にしていただきたいのが「新入社員に失敗はつきもの」と考えることです。
どんなに素晴らしい実績を残している先輩でも「今まで失敗をしたことがない」という人はいないと思いますし、失敗をすることは新入社員の特権でもあると言えます。
また「同じ失敗を2度としない」と対策を練ることによって人は成長していくことができます。
失敗が許される新入社員のうちにたくさん失敗をし、同じような失敗を繰り返さないように対策を練ったり努力したりすることで、社会人としての経験を積んでいくことができるのだ、と考えると「失敗」に対するイメージが前向きなものになるのではないでしょうか。
④入社前後のギャップが大きいと感じるときの対処法
入社後に配属された部署での業務にギャップを感じた場合は、希望の部署への異動を申し出ることも有効です。
すぐに希望が通る可能性は低いかもしれませんが、「伝え続けたら希望が通った」というような話はよく耳にします。
どうしても現在の部署での業務に納得が出来ず、違う部署であれば理想の働き方ができそうだという場合には、人事面談などの機会を利用して希望の部署への異動を申し出てみましょう。
異動を申し出る場合には、希望を伝えるだけでなく、理由や背景などしっかりと準備したうえで挑むのが、申し出を受け入れてもらうためのポイントです。
具体的には、「ギャップを感じたため」というような抽象的な理由ではなく「○○の部署だったら○○が実現できるため」「こういう点で自分が会社に貢献できると考えるため」など、相手に納得してもらえるような理由付けが必要であると言えます。
それでも仕事が辛いと感じるとき
上記のような対処法を実践したうえでもなお「仕事が辛い」と感じるときは転職を検討してみるもの1つの手です。
しかし、新卒入社後すぐに転職をしても「前の会社でもう少し頑張ればよかった」「転職しなければよかった」という意見もよく耳にします。
この章では、上記のようにならないために「本当に転職をすべきかどうか見極めるポイント」を3つご紹介いたします。
その①時期的な問題ではないか
新卒として入社後は、1か月ほどの研修期間を経て、配属先での実務がスタートします。
同期とともに過ごした厳しくも楽しい研修期間とは違い、配属後はプロとして先輩や上司と一緒に働くことになるため、精神的に辛いと感じることが多くなります。
特に配属後半年~1年は、独り立ちをしたり、同期と成績を比較されたり、後輩が入ってくる時期にもなるため、不安が大きくなる時期であると言えます。
この時期に、不安な気持ちから「会社がやめたい」と考えているのであれば、時期的な問題であるとも考えられます。
仕事に慣れたら解決する不安である場合もあるため、同期や先輩・上司に相談しつつ様子を見てみるのも有効な手であると言えるでしょう。
その②一時的な感情ではないか
仕事で失敗をしたり、先輩や上司に怒られた後は「仕事が辛い」と感じることが多いですが、これは一時的な感情だと言えます。
他企業に転職をしたとしても、社会人である以上このような場面が0になることは考えにくく、転職して解決する問題ではないでしょう。
これに対し、パワハラ上司に毎日怒られて仕事が辛いと感じる場合や、どうしても業務内容が合わずに辛いと感じる場合などは、一時的な感情ではないと言えます。
「仕事が辛い」と感じるのが一時的な感情なのかそうでないかを見極めるのは転職を検討するうえで非常に重要なポイントです。
その③相談して解決する問題ではないか
業務内容が合わないと感じたり、人間関係に問題がある部署に配属されて「仕事が辛い」と感じる場合には、部署異動を申し出ることで解決できるものもあります。
部署異動までいかなくても担当を変えてもらうなどで、対処できるものもあるかもしれません。
業界やその企業に魅力を感じて入社したのであれば、転職を検討する前に、社内で環境を変えてみるのも有効な解決方法です。
実際に、筆者の勤めている企業では、違う部署にいたが業務内容が合わず、異動を申し出、異動後の部署で活躍をしている人の話を耳にしたこともあります。
転職をすると、再び新人として1からキャリアが始まることになり、その分負担も大きくなってしまいます。
会社を変えずに解決できる方法がありそうであれば、まずは人事や上司に相談してみることをおすすめします。
それでも「仕事が辛い」状況が変わらなければ
「仕事が辛い」が、時期的な問題であったり一時的な感情ではなく、相談しても状況が変わらないのであれば転職を検討しましょう。
売り手市場と言われる転職者に有利な状況が続いている現在、特に「第二新卒」の採用枠が急速に広がっているため、「第二新卒」であれば経験やスキルがなくても採用してくれる企業は多く存在します。
しかし、作戦を立てずに転職活動を行い、転職に成功したとしても「仕事が辛い」と感じ、転職先を探す…という負のループにはまってしまうことになります。
転職活動を始めるにあたっては、自分にぴったりの求人を紹介してくれたり、ESの添削・面接対策などのサポートを受けられる「転職エージェント」を活用し、転職活動を進めていくことがお勧めです。
第二新卒、20代でのおすすめ転職エージェントは以下の記事を参考にしてください。
★【2022年版】第二新卒転職エージェントランキングまとめ記事はこちら
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新卒の新入社員にとって「仕事が辛い」と感じる場面は多くあり、対処法もさまざまです。
ご自身の「仕事が辛い」の原因が何なのかを考え、それに合った対処法を実践し、より心地よく働けるように工夫してみましょう。