「残業が少ない」「休日・祝日しっかり休める」といったイメージから、特に女性の間で人気が高い事務職。しばらく営業職で頑張ってきたけれど、ノルマへのストレスや残業の多さに、「働きやすそうな事務職に転職したい!」と願う女性も少なくないようです。
この記事では、事務職への転職を希望する方向けに、事務職の仕事内容や人気の理由、そして未経験者が事務職を目指すための方法を、転職エージェント7選とともに紹介します。
事務職ってどんな仕事?事務職が向いている人とは?
✔コツコツとした地道な作業が苦にならない
✔目に見えた成果がなくとも、誰かの役に立てることに喜びを感じる
✔長時間歩き回ったり、立ちっぱなしが苦手
事務職とは、通常企業の管理部門に属しており、主に電話応対や来客応対、資料の作成や管理などを行います。事務職と一口に言っても、「一般事務」「営業事務」「経理事務」「人事事務」など様々な種類があり、仕事の内容や給与も少しずつ異なります。
よく挙がるメリットが、事務職は社内向けの業務が多いため、休みの調整がしやすい点。営業職であれば、休日関係なくクライアントから連絡があれば対応しなくてはならないことも、また外回りなども求められますが、事務職は体力に自信のない方にとっては働きやすい環境かもしれません。
一方で、「ルーティンワークで楽そう」とのイメージに反して、実際には時間内に完璧な仕上がりを求められたり、「出来て当たり前」(出来ても褒めてもらえず、出来なければ叱られる)の世界でもあったりと、決して楽な仕事ではありません。また、営業職のように成果が分かりやすく見えるわけではないため、職種全体として給与が上がりにくいという現実があります。
給与よりもプライベート重視、地道な作業が苦にならない人であれば、向いていると言えるでしょう。
ちなみに、事務職の中では「人事事務」や「経理事務」が比較的給与が高い傾向にあります。そのため、男性で事務職を目指す場合は「経理事務」が人気があるようです。
事務職は競争倍率が非常に高い
事務職(バックオフィス系)への転職は競争倍率がとても高く、未経験からの転職が難しいと言われています。
実際にどれぐらいの競争倍率なのか、有効求人倍率から見てみましょう。
有効求人倍率とは?
企業からの求人数(有効求人数)を、公共職業安定所(ハローワーク)に登録している求職者(有効求職者数)で割った値のことで、雇用状況から景気を知るための統計資料の一つです。
職種 | 求人倍率 |
全体 | 1.85 |
営業系 | 1.61 |
企画・管理系 | 1.63 |
技術系(IT・通信) | 8.25 |
技術系(電気・機械) | 2.97 |
技術系(メディカル) | 1.48 |
技術系(化学・食品) | 0.83 |
技術系(建築・土木) | 4.58 |
専門職 | 5.16 |
クリエイティブ系 | 1.32 |
販売・サービス系 | 0.49 |
事務・アシスタント系 | 0.19 |
出典:「DODA転職求人倍率レポート(2021)」
上記は、2021年5月に行われたDODA転職求人倍率レポートから出典した図になります。
赤色の職種と有効求人倍率に注目してください。
最も高い値が「技術系(IT・通信)」で「8.25」ポイントとなります。
一方、最も低いのが「事務・アシスタント」で「0.19」ポイントになります。
つまり、一人の求職者に対して0.19しか求人がないのが「事務・アシスタント」だと言えます。
これは1つの求人に応募した場合、最低でも5人以上のライバルに面接で勝たなければならない計算です。
非常に転職難易度の高い職種であると言えますね。
もともとの求人数が少ない上に、女性に人気が高い職種となれば、倍率が高くなるのもうなずけます。
諦めたくない方、必見!未経験から事務職を目指す方法
そんな高倍率な事務職ですので、転職活動も戦略的に進めていく必要があります。色々な進め方があるかと思いますが、迷ったら以下二つの方法がおすすめです。
2.資格取得を待たずに転職活動を開始する
以下に詳しく説明します。
1.非正社員として入社し、正社員を目指す
前述の通り、事務職はとても競争率が高い職種ですので、いくら能力が高く資格を持っていたとしても、経験者には勝てないケースが高確率で出てきます。
では、そんなときどうするか?
それは、派遣社員や臨時雇員などの非正社員で事務職デビューし、そのうえで正社員を目指す方法です。
非正社員として入社することは一見マイナスなことだと捉えられがちですが、狙いの企業に潜り込める方法として有効です。
企業側としても、その人の働きぶりを見てから正社員登用するかどうか決められるなどミスマッチを防げるため好まれます。
実際、筆者の友人に新卒入社であれば倍率100倍と言われる企業で事務職をしている知人がいますが、彼女によると、その企業では「臨時雇員」として入社し、その後採用試験を受けて正社員になった人が複数いるのだとか。
友人と同年代の同僚の一人は、正社員として新卒入社した会社を退職後、友人の企業にまずは臨時雇員として入社し、その後採用試験を受けて晴れて正社員になったそうです。
無事正社員になれた理由として、周りからの評価が高かったこともあったと思いますが、やはり第二新卒というポテンシャルを評価してもらえる年齢であったことも、プラスに働いたのでしょう。
このように、ひとまず派遣社員や臨時雇員として入社してから正社員を目指したい方は、未経験からの事務職デビューに強い「マイナビキャリレーション」を利用するといいでしょう。
2.資格取得を待たずに転職活動を開始する
事務職を目指す人の中には、先に有利になる資格を取得してから転職に挑むケースがあります。資格はあって越したことはないですが、実際に面接でより評価されるのは、「資格がある未経験」よりも「資格なしの実務経験者」です。
特に、第二新卒であれば未経験であってもポテンシャルを重視してくれる企業も多いため、資格の取得に時間を費やすよりも、より年齢が若い今、転職活動をはじめたほうが可能性が上がります。
もちろん、ただでさえ倍率の高い職種となりますので、未経験であればあるほど、入念な準備が欠かせません。その際、重要になるのが、転職エージェントの存在です。
転職エージェントであれば、あなたの人柄や長所を書類選考など応募の際に伝えてくれます。
ハローワークや転職サイトを利用した場合、面接官があなたの内面を具体的に知ることになるのは、書類選考が終わり、一次面接を行った時になります。
一方、転職エージェントを利用することであなたの性格や内面を書類選考の段階で伝えてくれることで書類選考の通過率が大幅に上がります。
このことから転職エージェントを利用し、一次面接であなたの魅力を業務以外で伝えることが可能になります。
実際、転職エージェントに勤めている知り合いに伺ったところ、ハローワークや転職サイトのみの利用では書類選考率が2~3割程度になってしまいます。そのため、未経験から事務職に転職するには、転職エージェントを利用して履歴書や職務経歴書の添削、面接対策を行うことが必要不可欠なのです。
事務職に強い第二新卒向け転職エージェントを紹介
実際の転職活動はもちろん、「事務職に興味があるけど、自分に合っているかが分からない…」といった迷いがある方にも、一度転職エージェントに話を聞いてみることを強くおすすめします。
ここから先は、事務職に強い第二新卒向け転職エージェントを紹介していきます。
1つ1つ解説していきます。
①パソナキャリア・ウーマンキャリア
女性に一番おすすめしたい転職エージェントが「パソナキャリア」です。
パソナキャリアは、世界6位に位置する総合型の大手転職エージェントになります。女性の専用の転職エージェントではないですが、女性の社会進出にとても力を入れていることで女性からの高い支持を獲得しています。
おすすめする点は以下の2点になります。
- 大手転職エージェントならではの求人の多さ
- 女性のキャリアアドバイザーが多い
以下、一つずつ解説していきます。
大手転職エージェントならではの求人の多さ
先ほども述べたとおり、世界6位の外資系転職エージェントの地位を築いており、日本国内ではリクルートグループに次ぐ、大手転職エージェントです。
このことから日本国内の求人が非常に多く、選択肢を狭めたくない方におすすめできる点だと言えます。
女性のキャリアアドバイザーが多い
女性のキャリアアドバイザーが多いことも女性の転職者に高い支持を得ている理由の一つになります。
「パソナキャリア」は、「女性活躍推進」を打ち出しているだけあり、女子のキャリアアドバイザーが多く、女性ならではの悩みを一緒に解決してくれるでしょう。
また、男性アドバイザーには言いにくいことも女性アドバイザーには相談できることもおすすめできる点です。
肝心の事務職の求人に関しても多数掲載されているので、ぜひ登録してみてください。
②マイナビエージェントwoman
大手マイナビが運営する転職エージェントが「マイナビAgent」です。
主な特徴は、女性に特化したサービスを展開している点になります。大手だからこそ蓄積されている膨大なノウハウや経験を活かして、充実した転職サポートを女性がしてくれます。
「パソナキャリア」や「リブズキャリア」同様、女性に優しい転職エージェントだと言えます。
※事務職の経験が一切ない未経験者は、事務職デビューに強い「マイナビキャリレーションに登録したほうがいいでしょう。
③女のtype転職エージェント
年間5000名以上の女性の転職サポートを行っている「女のtype転職エージェント」。
結婚、妊娠・出産などの女性ならではのライフイベントとの向き合い方、長く働くための様々な悩みについて優しく相談に乗ってくれます。
④女性のしごと応援テラス|女性の再就職に強い
女性の再就職支援に強い、東京都からの要請を受け、立ち上げられた転職支援サービス。
結婚や出産、育児、介護などの理由で離職したものの、再就職を目指す方には心強いサポートを受けられるでしょう。
⑤リクルートエージェント|実績・求人数圧倒的No.1!
業界最大手のリクルートエージェント。事務職の求人数は約16,000件と豊富で登録しない理由がない転職エージェントです。
多くのキャリアアドバイザーが在籍しているため、女性のアドバイザーを希望すればアテンドしてもらえるでしょう。
利用するには少し敷居が高いイメージもありますが専門的なアドバイスをもらえます。
⑥doda|業界最大級の転職サービス
業界最大級(第2位)の転職サービス。求人検索サイトとしても転職エージェントとしても両方で活用できます。約4,000件に近い事務職の公開求人が閲覧できるので、ぜひチェックしてみましょう。
dodaしか取り扱っていない独占求人もあるため、案件を取りこぼしたくない方は併せて登録しておきたいエージェントです。
⑦リブズキャリア|キャリア形成への意識が高い女性向け
仕事もプライベートも大切にしたいキャリア女性におすすめしたいのが「リブズキャリア」です。
第二新卒でも新卒入社から2年間の実務経験を持った人におすすめしたい転職エージェントになります。
主な特徴は以下の2点になります。
- 年収400万円以上、上場企業といった限定的な求人のみを紹介
- 女性活躍プロジェクト(ウーマン・ブライド・アクション)に賛同する企業からの求人を紹介
一つずつ解説していきます。
年収400万円以上、上場企業といった限定的な求人のみを紹介
「リブズキャリア」では、年収400万円以上、上場企業といった条件のみの求人を紹介しています。
こうしたことから応募者は限定されますが、資金に余力がある上場企業だからこそできる「ワークライフバランスのとれた仕事」を大事にしています。
女性活躍プロジェクト(ウーマン・ブライド・アクション)に賛同する企業からの求人を紹介
「Woman Bright Action」という女性の社会進出、女性の社会活躍を応援するためのプロジェクトを行っています。
このプロジェクトに賛同する「株式会社AbemaTV」や「株式会社エイブル」といった大手が一流企業が名を連ねています。
非公開求人もたくさんあるので、どのような企業があるのかは登録して自分の目で確かめてみてください。
まとめ
本記事では事務職の仕事内容や人気の理由、未経験から事務職になる方法を、編集部おすすめの転職エージェント7選と合わせて紹介させていただきました。
転職エージェントを利用する最大のメリットは、何といっても書類通過率が高まること。書類通過率が高まることにより、未経験でもあなたの人柄を考慮してくれるチャンスが生まれます。また、経験者はよりハイクラスな求人へと転職できるチャンスが生まれるでしょう。
もちろん、興味があるけれども自分に合っているかが分からない、という悩みに対しても、転職エージェントであればプロの視点から適切な助言をしてくれます。
ぜひ、女性に特化した転職エージェントを利用して、悔いのない転職活動を行ってください。
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