最近若者にも派遣社員がなじみのある働き方になってきました。特に女性の場合、結婚や妊娠での一時離職を考えてあえて派遣社員を選ぶことも多いでしょう。
しかしそういった事情を加味しても派遣社員は本当に見合った働き方と言えるのでしょうか。
最近では23歳から25歳ぐらいまでを第二新卒といい積極採用しているので、正社員を目指すにはいいタイミングと言えます。
それぞれ女性の立場に立って正社員になるメリットをご説明します。
正社員と派遣社員の大まかな違い
正社員は安定しているという漠然としたイメージはあるかと思いますが、明確にどういった違いがあるのかを解説していきましょう。
雇用形態の違い
派遣社員は人材派遣会社の人間として派遣され、各企業で働くかたちになっています。
派遣社員の場合一つの企業で働くのは長くても3年までと期限が決められています。
対して、正社員は個人と実際に働く企業が直接契約して働きます。
雇用期間も決められていません。企業と直接契約していても何か月ないし何年と契約期間が決まっている場合は正社員とはなりません。
収入の差
派遣社員としてスキルが認められれば日給換算で正社員より多い給料をもらうことも可能です。
ただし、派遣社員はボーナスなどの賞与を企業から直接もらうことが法律で禁止され、もらえることもほぼありません。
対して、正社員は原則的に賞与があり、月給制で年中安定した給料が支払われますので安定性では正社員に分があるといえます。
仕事内容の違い
派遣社員は企業の中核をになうような仕事よりは、末端的な仕事が多くなってきます。規格の補助や事務作業、データ入力などをよく目にすると思います。
対して、正社員は1から10まで何でもあります。負担も多くなりますがその分評価項目も多く、スキルアップや昇給を目指すには正社員にメリットがあります。
派遣として働くデメリット
仕事に就きやすく、スキルアップで高時給も目指せる派遣社員ですが長く働くことを考えるとネックになってくる部分がいくつかあります。
収入が安定しない
派遣社員は有期契約することが法律で決められていて、更新するかどうかは働く企業に選ぶ権利があります。
自分に合う企業でも契約が更新されなければそこで終了になるので収入が途絶えて困った経験をした方も多いでしょう。
また時給額もピンキリなので、一時的に高時給で働けても条件のいい仕事は競争率も高いので継続的に仕事をしても収入が一定になることは稀です。
社会保険料は前年の収入額で決まるので、収入が安定しないと翌年損をすることもあります。
福利厚生が受けにくい
直接雇用の労働者は企業からの福利厚生を受けられます。
社会保険の加入など法律で定められているものは人材派遣会社との間で受けられることもありますが、企業が独自に定めているものは派遣社員には適用されません。
とくに女性の場合、結婚や出産時に結婚祝い金や出産時手当が企業から支給されることもありますが、社外の人間である派遣社員では受けられません。
育児休暇取得の権利と社会保険の出産手当を受け取る権利は遣社員にもありますが、契約期間が定められているので契約終了とともに更新されず復職が難しいのも現状です。
特に若い世代にはデメリットも
第二新卒と言われる若い世代は定年までまだ40年程ありますよね。長く働くことを考えると派遣で働くことはデメリットにもなります。
派遣社員の時給を月給計算すると新卒の正社員よりも高いことが多いです。
しかしこれは一時的なもので、派遣社員は同じ会社で長く働いたとしても昇給することは稀ですし、するとしても契約更新時になります。
またボーナスや賞与の支給がないことも多く、あっても正社員の1/10程度と額が小さいことがほとんどなので年収換算した時に差が出ます。
若ければ経験がなくても正社員を目指せますので、はじめから派遣に落ち着いてしまうと選択肢を逃してしまうことになります。
パート、契約社員、派遣社員と比べた正社員のメリット
では派遣社員からパート、契約社員ではなく、なぜ正社員を目指すべきなのか、それぞれと比較して考えてみましょう。
パートと比べた場合
パートの場合も正社員と同じで企業と直接契約していることには変わりませんが、労働基準法上の区分としてパートは「正社員に比較して一週間の所定労働時間の短い労働者」とされています。
これは仮に同じ能力があって同じ仕事をしていた場合にもアルバイトでは時間数が短くなってしまうため、給料面にも大きなデメリットになります。
またボーナスや賞与を与えない場合もあるので、同じ企業で働くのであれば正社員の方が好条件で働けることがほとんどになります。
契約社員と比べた場合
比較的立場の近い正社員と契約社員ですが、ふたを開けてみると様々な違いがあります。
同じ直接契約ですが契約社員は有期契約になり、最大3年(特殊技能を有する場合5年)までと契約期間に定めがあります。
また給料も契約社員は正社員に比べてボーナスが少ないか、無いこともあるので年収額に差が出ます。
ただし正社員より採用される確率は高くなるので、契約社員として自分を売り込んで正社員を目指す方法もあります。
派遣社員が正社員を目指す方法
難関に見える正社員への道ですが、若さと知恵を使えば十分正社員を目指すことができます。
第二新卒で売り込む
最近では新卒採用されてから早期に退職する若者が増え、人材確保のためにその若者を積極的に採用する企業も増えています。
とくに23歳から25歳の社会人のことを指すので、若ければ求人に積極的に応募することで企業の目に留まりやすくなります。
求人サイトでも二次新卒に向けて特集を組むことも多いのでチェックしてみることをお勧めします。
派遣先にそのまま正社員として入社する方法
派遣先で評価が高ければそのまま正社員になれることもあります。
ただし契約期間中に企業からスカウトされたり求人に応募して採用される場合、採用する企業は人材派遣会社に紹介料を支払わなければなりません。
退職後に契約すれば紹介料は不要なので企業から相談を受けた場合には検討してみましょう。
まとめ【23歳派遣社員がいち早く第二新卒で正社員を目指した方がいい理由】
- 雇用形態の違い
- 収入の不安定さ
- キャリアアップに繋がらない仕事内容
以上の理由が要因となり、派遣社員を辞めるべき理由となります。
正社員で働くことで、収入面、待遇面などで優遇されることが多く、また働く以外にも結婚や出産時に様々な補償が受けられることもあります。
人材難に悩む企業も多く、労働条件も徐々に改善され有効求人倍率は上がり続けています。
特に若い世代は将来性の面から企業も積極採用し、特に第二新卒と言われる年代を求める傾向にあります。
この機を逃さず正社員へのキャリアアップを目指してみるのもチャンスではないでしょうか。