最近は非正規雇用で働く若者が増えています。高卒でまだ能力がなくフリーターになったり、専門学校卒でいい職が見つかるまでのつなぎでアルバイトをして食いつないだり、境遇は様々でしょう。
22歳になると同級生は大卒で新社会人になりはじめちょっと焦りを感じてしまうこともあるかもしれません。
そんなときにキャリアアップを目指すなら、派遣社員よりも正社員を目指しましょう。
なぜ正社員を目指した方がいいのか、派遣社員になるデメリットを解説していきます。
正社員と派遣社員の違い
若いフリーターの多くは就職活動で苦労した経験があるでしょう。
なので正社員にはなりにくく、就職活動に時間をかけるなら手軽に仕事を受けられる派遣社員もいいのではと思うこともあるかと思います。
しかしその差は大きく、道を間違えると数年後後悔することもあるかも知れません。
雇用形態の違い
正社員と派遣社員は根本的に違います。
正社員は企業と個人が直接契約し、解雇や定年退職までは1つの会社で長く働くことができます。
派遣社員の場合はまず人材派遣会社に登録します。そして仕事を紹介してもらい実際に仕事をする企業に通勤しますが、あくまで雇われているのは人材派遣会社です。
また期間を決められて働くことになるので契約が終わるとまた別な企業に派遣され別な業務を行うことになります。
収入の違い
収入額はピンキリですが、正社員の場合は定年まで長く同じ会社で働けるのでスキルアップや昇格で収入が上がることも見込めます。
月収制で安定した収入が得られて、ボーナスが出ることもあるので収入的には安定しているといえます。
一方派遣社員は時給制や日給制が多いです。つまり祝日などで休みが多ければその分収入が減ってしまいます。
アルバイトと同じでは?と思うかも知れませんが、アルバイトは接客業などで祝日関係なく週何日のシフト制が多く、派遣は企業の休業日にも左右されやすいので、事務系の仕事で会社の休みが多いとその分収入が変動しやすいのです。
スキルアップの違い
派遣のメリットは比較的簡単に大手企業で働くことができる点です。
ただし大手で働くとはいえ比較的末端的な仕事が多いのでスキルアップはあまり見込めず、今後正社員としての就職を見越した場合個人で資格取得などを目指すことになります。
正社員の場合は1から10まで様々な仕事があり、一つの会社でスキルアップしそれを認められれば昇格や昇給につながりやすくなるので、若くまだまだこれから長く働けるのであれば正社員を目指した方がメリットが大きいのです。
なぜ今派遣ではなく正社員を目指すべきなのか
なぜ手軽に仕事をもらえる派遣社員よりも就職活動の必要な正社員を目指すべきなのでしょうか。
それは派遣社員になるデメリットだけでなく、時代的な背景もあるからなのです。
若いうちに派遣社員で働くデメリット
派遣社員であれば、人材派遣会社に登録すれば簡単に仕事が見つかることが多いです。
ただし長期的に見るとリスクもはらんでいます。
派遣社員を使う会社の意図は主に人件費の削減です。
つまり直接雇用の社員が欲しいところを派遣社員に頼んでいることも多いので景気回復で直接雇用が活発になれば派遣を使わなくなることも予想されます。
また期間限定の使い捨てとして見られることもあり、過去には不要になった派遣社員が一気に解約され社会問題になったこともあります。
なにより人材派遣会社と使う企業の交渉で給料額が決まるため昇給が見込めないうえに、短期の仕事も多く長く働けないので若いと言う年齢的なメリットが生かしにくいのです。
就職氷河期は終わった?
就職氷河期によってフリーターになることを余儀なくされた方も多いかと思いますが、今の状況はかなり好転していると見えます。
2017年6月時点での有効求人倍率は43年ぶりの高水準で、少子化などによる人材不足の影響もあり近年まれに見る売り手市場と言われています。
新卒正社員募集が定員割れすることも珍しくなく、人手不足による人材難倒産が危惧されるなど正社員を目指すにはこれ以上ないチャンスと言えます。
第二新卒という考え方
最近、いい人材を確保しようとする企業の間で需要が高まっているのが「第二新卒」と言われる人材です。
新卒で入社した社員が待遇や労働環境が見合わずに数年で退職することが多く、特に二十代中盤までの若者のことを第二新卒と言います。
企業からすると他社である程度経験を積んでいるので研修などの手間が少なく済み、若いので長く働いてくれることを見込めるのでメリットの大きい人材と言えます。
フリーターでも考え方は同じで、若くて長く働いてくれることを見込めて、同業種であれば他社での経験を買われることも十分あります。
正社員で働くときの3つのポイント
フリーターからいざ正社員を目指す時、どういった点を重視し、注意するとよいのでしょうか。
大手に固執しない
就職となるとどうしても大手企業に固執しがちですが、上記した有効求人数などは主に中小企業のもので大手は微増か横ばいなことが多いです。
また厳正に審査されるので能力に劣った点があるとすぐにばれてしまいますし、同年代の新卒とも比較されやすいので狭き門と言えます。
なのでフリーターから正社員を目指す場合には中小の優良企業を探すか、どうしても大手を目指したいなら派遣ではなく契約社員などの直接雇用で入社し正社員を目指すとよいでしょう。
アルバイトを辞めずに就職活動する
正社員の場合、企業はなるべく長く勤めてくれることを期待して採用します。
短期間でやめられると採用や教育にかかった時間や人件費がすべて無駄になってしまうからです。
これはアルバイト経験を見ても判断させるので、できるなら現在勤めているアルバイトを辞めずに就職活動することをお勧めします。
また過去に短期で仕事を辞めている経験がある場合は必ずと言っていいほど理由を聞かれるので、しっかりと受け答えできるように考えておくとよいでしょう。
アルバイト先の正社員を狙ってみる
アルバイト先が正社員を募集していることも多々あります。
そのまま契約だけを変更し正社員になれることは稀ですが、実際に働いている人が入社することは企業にとっても有益なので積極的に採用している場合もありますし、面接でも優遇されることが多いです。
また今はアルバイトでも労働基準法で5年連続して同じ企業で働くことで労働者は働いている企業に無期雇用契約(契約期間を決めない雇用契約)に変更することを希望できるので、その時に正社員になれる可能性もあります。
まとめ【22歳フリーターは派遣社員ではなく”正社員”を目指すべき理由】
人材難が叫ばれるこの時代、安く使われるフリーターは損な働き方とも言えます。
企業は若くて長く働ける人材を確保することに必死なので、この機会を逃す手はありません。
せっかくキャリアアップするなら派遣社員よりも、若さを売りにして金銭的に安定してスキルアップできる正社員を目指すこともできます。時代を逆手に取って正社員への道を切り開いてみてはいかがでしょうか。